ISPEInternational Pipe Encyclopedia

パイプブランド

Evan Handmade Briars

カンザス州に暮らすMark「Evan」Schloemerが手道具のみで作業する小規模なパイプ工房。マウスピースに施された地元産の石灰岩インレーが署名となった。

Evan Handmade Briarsは、カンザス州ポーニー郡ロゼル(Rozel)の町で営まれていた、一人だけのアメリカのパイプ工房である。ブランドの背後にいるのはただ一人、1955年にカンザス州で生まれたMark「Evan」Schloemerであり、工房名は職人が署名に用いていたミドルネームに由来する。

ロゼルの人口は2020年の国勢調査で百人前後であり、ブランドはこの規模にふさわしく、広い流通網や定番モデルのカタログを持つことは一度もなかった。パイプは職人の作業のペースに合わせて一本ずつ生み出された。

石灰岩によるマウスピースの署名

この工房を印象づける特徴は、マウスピースに施された明るい黄色のインレーである。アメリカの職人の多くがここで銀の円盤や白いアクリル、色付きレジンを用いるのに対し、Schloemerはカンザス州産の石灰岩を切り出して嵌め込む道を選んだ。この石は、州の地表近くに露出する海成堆積層から採れる。カンザスは後期白亜紀の間、西部内海(Western Interior Seaway)の海面下にあり、この海がおよそ六千六百万年前に南へ後退した際、厚い石灰質の地層が地表に現れた。マウスピースに施された小さな黄色い点は、こうしてブランドの目印であると同時に、製作された土地の地質学的な由来を示すものともなった。西部内海は、地質学の記録によればおよそ一億年前に形成され、白亜紀末に完全に後退した、北アメリカを二分していた浅い内海であり、カンザス州の石灰岩層はこの時代の名残である。インレー技法全般についてはマウスピース細工の項を参照されたい。

製作方法

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出典:Pipedia(CC BY-SA ライセンスに基づき翻案)