ISPEInternational Pipe Encyclopedia

パイプブランド

サディク・ヤヌク

エスキシェヒル出身のメシャム彫刻師。動物、戦闘、神話の場面をあしらった人物意匠のボウルを『S. Yanik』の刻印で仕上げ、19世紀ウィーン派の系譜を継ぐ現代的な後継者とされる。

サディク・ヤヌクは、エスキシェヒル出身のメシャムパイプ彫刻師である。ボウル全体を一つの顔、動物、あるいは物語的な場面に仕立てる人物意匠の作品で知られ、パイプにはトルコ文字を用いず「S. Yanik」という形で署名する。

その様式は、人物意匠のメシャム彫刻が19世紀ウィーンの工房で成熟した古典期の流れに連なり、今日この系譜を生きて代表する主要な担い手の一人とされる。

工房で育つ

ヤヌクは、代々石を彫ってきた一族の出である。父ヒュセイン・ヤヌクは、メルゲンレルのために働き、自ら作ったパイプに署名しなかった職人として記録に残っている。作品が彫刻師本人ではなく会社の名で市場に出るのが当時の常であった。一部の資料ではサディク・ヤヌク自身もメルゲンレルの彫刻師の一人として言及されるが、この二つの情報を両立させる文書は見つかっていない。

彼が工芸に触れたのは13歳の頃で、工房の掃除のような雑用と、父の手元を見て学ぶことから始まった。年を1978年とする記録が一つだけ存在するが、この年代を独立に裏付けるものはない。

20代前半、肖像や細部の技術をさらに高めるためにユヌス・エゲとディラーヴェル・チェレビという二人の職人のもとを訪れたと伝えられる。この経緯は、エスキシェヒルにおいて技が世代を超えてどのように循環したかを示してもいる。ユヌス・エゲが1965年に弟子入りした工房こそ、ヒュセイン・ヤヌクのものであった。一世代を経て、その息子が父の弟子の前に座ることになったのである。ヤヌクは後年、ヨーロッパの各コレクションで19世紀のメシャム作品を実際に調べ、そこから古典期の構図の考え方を学んだとも言われる。これらの逸話の出所は、家族経営の工房自身が発行する文章である。

題材の世界と制作の流儀

記事の続きはアプリで

ISPE のすべては IPC アカウントで開けます。

アプリで開く

関連記事

最終更新:

出典:Pipedia(CC BY-SA ライセンスに基づき翻案)