パイプブランド
Pipas Arguello MA
ブライヤーの代わりに南米の硬木、特にナサレノと呼ばれる紫色の木を用い、タグアの象嵌で知られる手作りパイプの銘。
Pipas Arguello MAは、ブライヤーが唯一の正当なパイプ材とされる分野で、あえて地元の硬木を用いることを選んだ一人工房の手作りパイプの銘である。この工房の名がスペイン語圏のパイプフォーラムやパイプ百科事典の記録に現れるのは2010年代初頭のことで、創業者の正体、創業年、工房の所在地はいずれも記録に残っていない。
記録によれば製作は量産ではなく一点ずつ進められ、どのパイプも唯一無二とされる。
素材の選択
この工房の主な素材はナサレノと呼ばれる木である。学名Peltogyne purpureaのこの樹種は、コスタリカとパナマの太平洋側沿岸およびコロンビア北部に自生する。心材は濃い紫色で、木目も濃い。木は高さ50メートルにまで達することがあり、木材の密度は立方センチメートルあたり0.8から1グラムに及び、天然の耐久性は高いが、手加工でも機械加工でも扱いにくい。この樹種はIUCNの基準で「危急」(VU)とされ、コロンビアの絶滅危惧木材種を集めたレッドブックにも同じ区分で記載されている。コスタリカとパナマでは伐採が禁じられている。市場に出回るのが小さな塊材のみであることも、この木でこの工房が作業できる量を制限している。記録にはナサレノのほか、フロール・モラード、黒檀、そして時にブライヤーも用いられるとある。こうした選択は、この工房をブライヤー以外の木材でパイプを作る小規模な職人たちの系譜に近づけている。
タグアの象嵌
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出典:Pipedia(CC BY-SA ライセンスに基づき翻案)