パイプブランド
セルメツ(シェムニッツ)パイプ
現在のスロバキアに残る鉱山都市セルメツバーニャで作られた、オスマンのチブクパイプに由来する色釉薬の陶製パイプの伝統。
セルメツパイプは、ハンガリー王国北部の著名な鉱山都市セルメツバーニャで作られた釉薬掛けの陶製パイプの総称である。この町はドイツ語資料ではシェムニッツ、現在のスロバキアではバンスカー・シュチアヴニツァと呼ばれ、パイプもどの言語で呼ばれるかによってこの三つの名で並んで登場する。
ヨーロッパの陶製パイプといえばまず思い浮かぶイギリス系の系譜とセルメツとの間に血縁関係はなく、ここで生まれた形状の系譜は西ではなく東へと遡る。
オスマンのチブクに由来する形状
北ハンガリーに西から物資を運ぶのは容易ではなく、イギリスやオランダのパイプは地域で滅多に見られなかったため、地元の職人の手本となる実例も乏しかった。手本を提供したのは東であった。すなわち、オスマン経由でヨーロッパに入ったチブク(chibouk)パイプである。とりわけブダで働く職人たちの型が決定的な役割を果たした。その型ではボウルが円筒に近く比較的高く、下部は半球状の胴で締めくくられ、シャンクは短くくびれを持ち、シャンクとボウルのつながる角度はおよそ六十度である。同じ工芸のイスタンブールにおける系統についてはトファネ製チブクの項を参照されたい。
セルメツの職人たちはこの骨格を受け継いだうえで、自らの署名をパイプの台座に刻んだ。台座は本体よりもはるかに緻密に彫り込まれ、扇のように広がる貝殻・葉の装飾がこの流派を特徴づける文様とされる。この文様はセルメツにとどまらず、オーストリア、ドイツ、フランスの工房の作品にも浸透していった。ボウルは多くの場合多角形の面に分割され、その面には製作者の刻印が施される。
素材と色
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出典:Pipedia(CC BY-SA ライセンスに基づき翻案)